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【PRTR法】対象物質は3ステップで判定できる?

工場

で化学物質を扱う担当者にとって、PRTR法(化学物質排出把握管理促進法)は避けて通れない重要な法令です。しかし、新任担当者が最初につまずくポイントのひとつが 「対象物質の判定」 です。

SDSを見てもよく分からない、物質名が似ていて混乱する、年間取扱量の計算が難しい……。こうした悩みは多くの工場で共通しています。

この記事では、PRTR法の対象物質を 新人でも迷わず判定できる3ステップ に整理して解説します。専門用語をできるだけ避け、実務で使える形に落とし込んでいます。


1. PRTR法の対象物質とは?

まず前提として、PRTR法の対象物質は「政令で指定された化学物質」です。現在は約460物質が対象となっており、名称が似ているものや、混合物として扱われるものも多く、判定が難しい理由のひとつになっています。

新人担当者が最初に混乱しやすいのは次の3点です。

  • 物質名が似ていて区別しにくい

  • SDSに書かれている名称とPRTRの名称が一致しないことがある

  • 混合物の場合、含有量の計算が必要になる

これらを踏まえたうえで、次の3ステップで判定するとスムーズです。


2. 【ステップ1】SDSの成分表を確認する

PRTR法の対象物質判定は、まず SDS(安全データシート)を見ること から始まります。

SDSの「第3項:組成・成分情報」には、製品に含まれる化学物質の名称と濃度が記載されています。ここに書かれている物質名を、PRTR法の対象物質リストと照合するのが基本です。

■ 新人がつまずきやすいポイント

  • SDSの名称とPRTRの名称が微妙に違う

  • 英語名と日本語名が混在している

  • 濃度が「範囲」で書かれている(例:10〜20%)

■ 実務でのコツ

  • 物質名だけでなく CAS番号 を確認する

  • 濃度が範囲の場合は「上限値」で判断する

  • SDSが古い場合は最新版を取り寄せる

CAS番号は世界共通の物質識別番号なので、名称が違っても判定がしやすくなります。


3. 【ステップ2】PRTR対象物質リストと照合する

次に、SDSに記載された物質がPRTR法の対象物質に該当するかを確認します。

対象物質リストは環境省が公開しており、物質名・CAS番号・分類などが記載されています。新人担当者は 「名称が似ている物質に注意」 という点を必ず押さえておきましょう。

■ よくある間違い

  • 「○○酸ナトリウム」と「○○酸」が別物なのに同じと判断してしまう

  • 同じ物質でも「無水」「水和物」で扱いが異なる

  • 混合物の含有量を計算せずに対象外と判断してしまう

■ 実務でのポイント

  • 物質名ではなく CAS番号で照合する

  • 類似名称は必ず確認する

  • 混合物は「含有量 × 使用量」で計算する

PRTR法は「年間取扱量」が基準になるため、含有量の計算を省略すると誤判定につながります。


4. 【ステップ3】年間取扱量を計算し、届出の要否を判断する

対象物質であることが分かったら、次は 年間取扱量の計算 に進みます。

PRTR法では、物質ごとに「届出が必要となる年間取扱量の基準」が決められています。この基準を超える場合に届出が必要です。

■ 年間取扱量の計算でつまずく理由

  • 工程ごとに使用量が異なる

  • 廃棄量や排出量を含めるか迷う

  • 製品のロスや蒸発分の扱いが分からない

■ 新人向けの計算手順

  1. 購入量を把握する

  2. 工程ごとの使用量を分ける

  3. 含有量(%)を掛けて対象物質量を算出

  4. 年間で合算する

例:年間100kg使用、含有量20% → 対象物質量は20kg

■ 注意点

  • 「使用量」ではなく「取扱量」で判断する

  • 廃棄物に含まれる量も対象

  • 蒸発・飛散分も対象

新人が最も誤解しやすいのは「使用量=取扱量」と思ってしまう点です。PRTR法では、工程で扱った総量を基準に判断します。


5. よくある誤判定とその原因

PRTR法の対象物質判定で起きやすいミスは次の通りです。

■ ① SDSの名称だけで判断してしまう

名称が似ている物質が多いため、誤判定の原因になります。

■ ② 含有量の計算を省略してしまう

混合物は必ず計算が必要です。

■ ③ 年間取扱量の集計漏れ

複数工程で使用している場合、合算しないと誤判定になります。

■ ④ 廃棄物に含まれる量を見落とす

廃液・廃油などに含まれる量も対象です。

■ ⑤ SDSが古い

SDSの更新は5年ごとが目安。古い情報で判定すると誤りやすいです。


6. 新人担当者が押さえるべき“最低限のポイント”

PRTR法は複雑に見えますが、次の3つを押さえておけば大きなミスは防げます。

① CAS番号で照合する

名称より確実。

② 含有量 × 使用量で対象物質量を計算する

混合物は必ず計算。

③ 年間取扱量で届出の要否を判断する

工程ごとに分けて集計する。

この3つを守るだけで、PRTR法の対象物質判定はかなりスムーズになります。


7. まとめ

PRTR法の対象物質判定は、新人担当者が最初にぶつかる壁です。しかし、SDS → 対象物質リスト → 年間取扱量という3ステップで整理すれば、迷うポイントが大幅に減ります。

より詳しい判定フローや、年間取扱量の計算例、監査で指摘されやすいポイントなどは、別途まとめている資料で確認できます。



 
 
 

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