【PRTR法】初心者がつまずきやすい「年間取扱量」の考え方
- 地方のしがない環境管理者
- 2月2日
- 読了時間: 3分

PRTR法の対象物質判定で、新人が最初に必ずつまずくのが「年間取扱量ってどう計算するの?」という問題です。
SDSの読み方は理解できても、
どこまでを“取扱量”とするのか
工程ごとにどう分けるのか
濃度が低い場合はどう考えるのか
など、実務では判断が難しいポイントが多くあります。
この記事では、PRTR法の年間取扱量を“新人でも迷わず計算できる”ように、考え方を体系的に整理して解説します。
1. 年間取扱量とは何か
PRTR法では、対象物質の届出が必要かどうかを「年間取扱量」で判断します。
ここで重要なのは、“使用量”ではなく“取扱量”であること”。
■ 取扱量に含まれるもの
購入量
製造量
他工程からの移動量
廃棄量
排出量
■ 取扱量に含まれないもの
在庫の移動
製品として出荷される量(物質による)
容器の残渣(一定条件下)
新人は「購入量=取扱量」と誤解しがちですが、実際は工程ごとに分けて考える必要があります。
2. 新人がつまずくポイント
PRTR法の年間取扱量で、特につまずきやすいのは次の3つ。
① 濃度が低い場合の計算
混合物の場合、含有量(%) × 使用量(kg)で対象物質量を計算します。
② 工程ごとの集計
工程が複数ある場合、工程ごとに分けて集計する必要があります。
③ 廃棄物の扱い
廃棄物に含まれる対象物質も、取扱量に含まれる場合があります。
3. 年間取扱量の計算ステップ
新人でも迷わず計算できるように、3ステップで整理します。
ステップ①:SDSの第3項で成分を確認する
対象物質名
CAS番号
濃度(%)
濃度が範囲の場合は上限値で判断します。
ステップ②:工程ごとに使用量を整理する
例:
洗浄工程:500kg
塗装工程:300kg
調合工程:200kg
工程ごとに分けることで、排出量や廃棄量の計算がしやすくなります。
ステップ③:含有量 × 使用量で対象物質量を計算する
例:濃度10%の溶剤を500kg使用した場合→ 500kg × 0.10 = 50kg
これを工程ごとに積み上げていきます。
4. よくある誤解
■ 誤解①:濃度が低いから対象外
→ 使用量が多ければ対象になる。
■ 誤解②:廃棄物は関係ない
→ 廃棄物に含まれる対象物質も取扱量に含まれる場合がある。
■ 誤解③:購入量だけ見ればいい
→ 工程ごとの使用量を整理しないと誤判定につながる。
5. 新人が押さえるべき“最低限のポイント”
SDSの第3項を見る
CAS番号で照合する
工程ごとに使用量を整理
含有量 × 使用量で計算
濃度が低くても油断しない
6. まとめ
PRTR法の年間取扱量は複雑に見えますが、成分 → 工程 → 計算の順に整理すれば、判断の方向性を間違えることはありません。
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