【PRTR法】「排出量・移動量」を理解するための基礎
- 地方のしがない環境管理者
- 2月5日
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PRTR法では、対象物質の届出を行う際に「排出量」と「移動量」を算出する必要があります。しかし、新人担当者にとって、この2つの違いは非常に分かりにくく、どこまでを排出量とし、どこからが移動量なのか判断に迷うケースが多くあります。
まず理解すべきは、排出量とは“環境中に放出された量”であり、移動量とは“事業所外に移動した量”という点です。排出量には、大気への放散、排水としての放流、土壌への排出などが含まれます。一方、移動量には、廃棄物として外部に委託した量や、下水道に排出された量などが該当します。
新人が最初に混乱するのは、廃棄物に含まれる対象物質を「排出量」と誤解してしまうことです。しかし、廃棄物として外部に委託する場合、それは環境中に放出されたわけではないため、排出量ではなく移動量に分類されます。この違いを理解するだけで、PRTR法の届出作業は格段にスムーズになります。
排出量と移動量を正しく算出するためには、工程ごとの物質の流れを把握することが重要です。どの工程で使用され、どの工程で廃棄物として排出され、どの工程で大気や水質に放出されるのか。この流れを図式化すると、排出量と移動量の境界が明確になります。
また、排出量の算出には“推計”が認められている点も重要です。すべてを正確に測定する必要はなく、工程の特性や使用量から合理的に推計することができます。新人は「正確に測らなければならない」と思い込みがちですが、PRTR法では推計が一般的です。
移動量については、廃棄物の委託量が基準になります。廃棄物の重量に対象物質の含有率を掛け合わせることで、移動量を算出できます。ここでもSDSの成分情報が役立ちます。
排出量と移動量は、PRTR法の中でも特に理解が難しい領域ですが、環境中に出たものが排出量、事業所外に出たものが移動量という基本を押さえれば、判断の方向性を間違えることはありません。
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